ユタカ建設工業株式会社とは?

ユタカ建設工業株式会社は、茨城県を拠点に土木建設業を主軸としながら、農業法人による農業事業も手がける会社です。建設事業では機械土工・手土工・型枠を柱に、大手ゼネコンの下請けとして幅広い工事を担っています。
同社の大きな特徴は、社員を「一般土工」ではなく「多能工」として育てていること。型枠・鉄筋・生コンなど複数の工程をこなせる技術力を武器に、「現場が営業」という信念のもと、一度使ってもらえば手放したくないと思われる仕事を追求しています。
農業では茨城で盛んなさつまいもを主体に約30ヘクタールを展開。福島や新潟中越地震などの災害復旧にも従事してきた、国土を守る使命感を持つ企業です。

事業内容について
まずは御社がどんな事業をされているのか、改めて教えていただけますか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登主軸は土木建設業です。あわせて農業法人を作り、農業も手がけています。茨城は特にさつまいもが盛んなので、それを主体に、現在は約30ヘクタールほどを手がけています。
建設業のほうは、ほとんどが下請けで、元請けは全体の売り上げの1〜2割程度です。私が起業した20年ほど前は建設会社が非常に多く、元請けは入札で叩き合いになってしまう。それなら自分で仕事を見つけたほうがいいと考え、当時盛んだった筑波の開発に入り込み、大手さんの下で仕事を覚えていきました。
メインとなる事業は何になるのでしょうか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登メインは機械土工・手土工・型枠の三つです。
機械土工は大きな土を動かす仕事で、今はICTを搭載した機械も持っています。土を動かすと排水のためにU字溝やボックスも必要になりますが、そこまで一貫して対応できます。基本的に何でもできる体制で、やらないのは大きな鉄筋仕事くらい。鉄筋は専門の下請けさんにお任せしています。

人材と多能工の育成
社員を「多能工」として育てているとうかがいました。どういう考え方なのでしょう?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登どこへ行っても通用するように、うちは一般土工ではなく多能工にしろと言っています。型枠も鉄筋も手土工も生コンもできる。それを全部こなせるようにしたうえで、その中で得意分野を一つ持たせるんです。
オペレーターが得意な社員でも、オペの仕事がないときは別の仕事もできる。そういう育て方をしています。
ホームページを拝見すると従業員67名と大所帯ですが、人手は足りていますか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登まだまだ足りません。土木でも建築でも、現場で働く日本人が少なくなっているのが現実です。今後は外国人と共存しなければ、建設業はやっていけないと考えています。
うちも型枠だけで外国人が12〜13人、土木で7〜8人と、建設だけで20人ほどいます。その中で特定技能二号に合格した社員が4人。他社からよく受かるねと言われますが、みんな真面目で一生懸命やってくれています。
新卒採用にも力を入れていらっしゃいますか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登専門学校生や工業高校を卒業した子を、いかに直接現場に入れるか、今いろいろ研究しています。
高卒の初任給は約26万円
旅行は今年から一泊二日を会社が全額負担
現場での経験を積みながら資格取得を支援
うちは一般の普通科を卒業した子を勉強させて土木の一級を取らせています。18歳で入り、20歳前後で2級、30歳ごろに1級を取る。先輩が後輩に教えて受けさせる、そういう流れができています。

経営で大切にしてきた信念
社長ご自身は、どのような経歴で会社を立ち上げられたのですか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登私の人生は波乱万丈でした。もともと建設業に勤めていましたが、これは自分で始めたほうがいいと思い、独立しました。約20年前、不景気で「建設業は廃れた」と言われた時代に起業したので、なぜやるのかとみんなに言われましたね。
それでも、うちは最初から社会保険完備でした。当時は誰も入っていない時代で、お金もかかり苦労しましたが、そこは貫きました。3,000万、5,000万の仕事を自分も一緒に受けながら、少しずつ会社を大きくしてきました。
「現場が営業」という考え方が印象的でした。
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登一度使ってもらったら、もう一度ここを使いたいと思ってもらう。単なる営業ではなく、現場が営業だという考えです。
だからうちの社員は、後ろ指を指されるような仕事はしません。きちっと仕事をしないと私が来て壊してしまう。そういう経験をみんなしているので、仕事だけは基本を大切にしています。初めて使ってもらう会社になるには努力が必要ですが、一回使ったら離したくないと思ってもらう。それをいつも心に置いています。
そうした考えに至ったきっかけはあったのでしょうか?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登人間は、貧乏な人のところには人はついてこないんです。辛い思いをしているときは人が寄らないけれど、裕福になると人が寄ってくる。それを肌で感じてきました。
だから、一生懸命働いて、協力してくれる人はいくらでも来てほしい。ついてこられずに離れる人は自由に離れていっていい。ただし、一度付き合った人とはいつでも連絡を取り合える状態を作っておく。人間対人間の関係を大切にしています。
座右の銘があるとうかがいました。
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登一期一会です。茶道から取った言葉ですね。同じお茶を飲むにしても、その時間は一生に一回しかない。人と出会い接する時間はここしかないんです。
その一回一回を大切にしながら、相手の良さを見つけてお付き合いしていく。悪いところを見つけるのは簡単ですから、良さを見つけながら人生を送りたい。書道の先生に書いてもらって、社長室に貼っています。叱るときは叱り、褒めるときは褒め、払うものは払う。思いやりがあるから叱れるんです。

会社と業界の魅力
改めて、御社の魅力を教えてください。
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登魅力は、みんながお互いを理解し、思いやるファミリーであることです。流行りの言葉で言えば「ユタカワンチーム」。会社の人はみんな一つのチームで、助け合ってやりなさいと常日頃言っています。
毎月1回の担当者会議、2ヶ月に1回の全体会議で全員が集まります。喧嘩するような人は気質に合わないので辞めてもらうこともありますが、他で虐げられた人が「ここはいい」と言って勤めてくれることもあります。みんな穏やかで、助け合える環境です。
業界そのものの魅力についてはいかがでしょう?
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登働けば働いただけお金になり、働くほど技術力が身につく。それが建設業の魅力です。
さらに、一般教養が高くなくても、専門的に一生懸命勉強すれば資格が取れて働ける。他の会社では試験すら受けられないような人でも、真面目に働けば採用します。誰にでも真似できる仕事ではないからこそ、技術力を上げれば、オペレーターからトップを目指すこともできるんです。
最後に、進路に悩む学生へメッセージをお願いします。
ユタカ建設工業株式会社 代表取締役:石井 登IT全盛の時代ですが、道路や橋、川を作るのは人間にしかできません。ロボットが並べられるようになるまで、あと50年はかかるでしょう。
若い人には、自分たちの国土を守る使命感を持ってほしい。土木は縁の下の力持ちで誰も認めてくれないかもしれませんが、旅行で高速道路を通るとき「ここは俺が作った」と言える。それが社員同士の絆になっています。
もしやりたいことがあるなら、やってみればいい。失敗したら戻ってこい。それくらいの幅の広い気持ちがないと若い人は育ちません。国土を守り、災害があれば真っ先に駆けつける、そういう人材なんだと意識してもらうことが大事です。





