三和メッキ工業株式会社とは?
三和メッキ工業株式会社は、福井県で創業から70年近くにわたり金属めっき加工を手がける会社です。めっきとは、対象物に薄い金属をつけて機能を付与する技術であり、法人向け(BtoB)から個人向け(BtoC)まで幅広い仕事を担っています。
自動車のバンパーやブレーキ関係といった従来の分野から、半導体製造設備やデータセンター関連、さらには航空・防衛・宇宙分野まで、事業領域を大きく広げてきました。人工衛星への対応も進め、航空宇宙関連の規格「JIS Q 9100」認証取得にも取り組んでいます。
昨年からは自社ブランドのサビ取り剤・メンテナンス剤の販売を開始。ホームページやSNSでの発信にも早くから力を入れるなど、「世の中にないもの」を追い求め続ける姿勢が、この会社の大きな魅力です。

めっきという仕事と、事業の広がり
まず改めて、御社の事業について教えていただけますか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次当社は法人向けのBtoBと、個人向けのBtoCの両方で仕事をしており、金属めっき加工を行っています。めっきとは、何かの対象物に薄い金属をつけて機能を付ける技術です。それを福井で70年近く続けてきました。
昨年からはプライベートブランドとして、サビ取り剤とメンテナンス剤を発売しています。「めっき屋が作った」という点を打ち出し、自社サイトで販売しています。
70年ですか。もともとはどなたが創業されたんですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次祖父が創業しました。私で三代目になります。最初は違うところで3年ほど働き、その後めっきに戻って、すべての現場を覚え、めっきを覚えて、営業も経験して今に至ります。社長に就任したのは今から15、6年前、40代前半の頃です。
めっきの面白さって、どんなところにあるんでしょう。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次昔は何に使われているかわからない部品が多かったのですが、最近は例えば航空・防衛・宇宙関係の仕事が来たり、AI関連の仕事が来たりします。世の中に貢献しているという面白さがあります。
AIは半導体を使いますから、その半導体を作るための設備のめっきや、増え続けているデータセンターの設備関係のめっきも手がけています。

車から宇宙へ。事業を広げてきた理由
一番最初の軸となる事業は、どんなめっきだったんですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次よく言われたのは車です。自動車産業でめっきがよく使われていました。ピカピカ光っているバンパーのような部分や、ブレーキ関係のところです。自動車産業の発展とともにあった、と言えます。
そこから宇宙まで広がるのは、すごく夢がありますね。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次5年前から少し人工衛星のお手伝いをしていました。3年前には世界で紛争が起こり、防衛費の見直しが入るとわかっていたので、そういうところにもめっきを提供していきたいと考えました。飛行機産業では5年から10年に一度、機体の見直しが入ります。試作はしていたので、これから伸びると考えました。
航空・防衛・宇宙はこれから伸びる産業に間違いないので、JIS Q 9100という規格の認証取得を来年3月に向けて進めています。そういう分野を囲い込んでいきたいと考えています。
いろいろな分野に広げていこうと決めたのは、なぜですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次大都市圏だと、一つのめっき、例えばトヨタ自動車にぶら下がるような形になります。しかし北陸地方はそれだけでは食べていけないので、いろんなめっきをしています。だからこそ、業種をもっと幅広く増やした方がいいと考えました。
背景には価格競争の激しさもあります。利益が出ず、それが面白くなかった。だから付加価値を高めてやっていこうと考えたわけです。
「断らない」ことが生む付加価値
価値を高めるというのは、具体的にどうされているんですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次メールでお問い合わせをいただくのですが、皆さんが断るめっきをトライしていきます。値段ではなく、技術的に難しく、世の中にないめっきだから断られるのです。そういう問い合わせが来ます。
世の中にないめっきとは、たとえばどんなものですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次たとえば、ある部分には滑らせるめっきをして、他の部分には電気が流れないようなめっきをしたい、といった要望です。硬くしたい、摩耗しないようにしたい、というものもあります。こうした機能性のめっきは、実際に作ることができます。
全国的にはいろんなめっき屋があり、バッティングする部分もあります。だからこそ差別化がしたい。めっきの問い合わせが来たら断らない。それが当社の姿勢です。
5年後、10年後、どんな企業でありたいですか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次規模を大きくするつもりはありません。目指しているのは営業利益を業界でナンバーワンにすることです。原材料費は大したことがなく、コストは人件費や光熱費が中心です。
独自性のある技術を持っていれば、価格は自分たちでつけてもいい。自分たちにしかできない技術に付加価値がつくからです。それを目指しています。

一番を取る。SNS・AIへの挑戦
従業員の方は今どのくらいいらっしゃいますか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次今は35人です。多いとはあまり感じていませんが、当社のキャパシティ的にはそのくらいです。24歳など若い社員もいます。大卒で入ってきた社員です。
めっきが好きで入ってくるというより、入ってきてからめっきが好きになるというパターンが多いですね。私自身はめっきが好きだったわけではなく、世代交代があり、いろんなことをやりたかったのです。
ホームページもSNSもすごく整っていて、業界では珍しいと感じました。何か意識されていることはありますか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次意識しているのは一番になることです。ホームページで一番を取れるように、どうすれば上位になるかをずっと考えてページを作ってきました。これは20年以上の歴史があります。真似をされても、なかなか追いつけません。
SNSの発信を始めたときは「めっき屋がやっても意味がない」とバカにされましたが、フォロワーが増え、問い合わせも来るようになりました。すると他のめっき屋が真似をしてきます。真似されるものは継続しつつ、誰もやっていないところを先にやる。皆さんが気づくのは3年後で、その頃にはもっと先を行っています。
AIも活用されているんですね。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次AIは非常に活用しています。当社が導入しているAIのシステムは、まだ誰も使っていない領域のもので、何でもできてしまいます。
いろんな人と出会い、企画の中で「これはすごい」「誰もやっていない」というものを先にやる。年内に、他社がやっているSNSやショートドラマの先を行くものを準備しています。公開したときに驚いてもらえるものになると思います。
学生へのメッセージと、会社の魅力
「やりたいことがない」という学生が多いのですが、どう考えたらいいでしょうか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次就活では、給料がいい、福利厚生がいい、休日が多いところにみんなが行きます。それがブラックかどうかは考えず、とりあえず就職します。だから離職率が高く、3ヶ月で辞める人もいます。結局、何がやりたいのかわからないのです。
何がやりたいかを見つけるには、大学で何を専攻したかが重要です。自分が培ったノウハウを活かしてこうなりたい、たとえば起業したい、という気持ちがないと、就職しても迷走してしまいます。
やりたいことを見つけるために、大切なことはありますか。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次今はインターネットやAIでどんな情報も引っ張れますが、それでも本を読まなければダメです。読書をしないといけません。
一番いいのは哲学書です。私が読んできたものでは、ラカンやフロイトといった精神分析、セネカのような古代ローマの古典、ドラッカー、中国の古典などがあります。日本では一倉定さんや田坂広志さんの本を社員にも読んでもらっています。
最後に、御社で働くことの魅力を教えてください。
三和メッキ工業株式会社 代表取締役社長:清水 栄次やはり世の中にないものをつくれることです。自分たちで開発し、商標で名前をつけて世の中に打ち出していく。その楽しみがあります。それはやりがいになると思います。そして、お客様の声をいただけることも大きな魅力です。




