株式会社Keishinとは?
株式会社Keishinは、2004年9月に創業し、現在は22期目を迎える建物メンテナンス・工事のプロフェッショナル集団です。大阪本社、八尾営業所、東京営業所の3拠点で事業を展開し、賃貸物件の管理会社をお客様として、建物と設備に関わるあらゆる業務をワンストップで請け負っています。
同社の特徴は、日々の清掃や消防設備点検などの「ビルメンテナンス(BM)」と、建物の老朽化に対応する工事提案などの「ファシリティマネジメント(FM)」の両方を手掛けている点にあります。この両輪を備えた事業者は業界でも少なく、大きな差別化になっています。
「お客様には一切ノーと言わない」を信条に、賃貸業界のトップ企業とも取引を重ねてきたKeishin。近年は20代を中心とした若返りが進み、次世代への事業承継も見据えた組織づくりに取り組んでいます。「社員ファースト」を経営理念に掲げる同社の歩みを伺いました。

建物のすべてに応える、ワンストップの事業
まずは事業の内容について教えてください。マンション管理会社の代行と建物のメンテナンス、大きく二つに分かれるイメージなのですが、実際どんなお仕事をされているのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎まず業界の構造からお話しします。賃貸物件にはオーナーさんがいて、そのマンションやアパートを管理会社さんがお預かりし、家賃や入居者対応、建物の点検などを代行しています。これがプロパティマネジメント(PM)と呼ばれる業務です。私たちがやっているのは、その管理会社さんに対する仕事です。建物や設備は年々古くなり、必ずどこかで交換やメンテナンスが必要になります。
日々の清掃や消防設備点検、貯水タンクの点検といった法定点検を含むビルメンテナンス(BM)と、老朽化した設備を直したり交換したりする工事、いわゆるファシリティマネジメント(FM)の両方を手掛けています。
なるほど。同業他社さんと比べたときの強みはどこにあるのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎一般的には、消防設備や清掃といったBM業務だけをやっている会社が多いんです。工事を提案してプレゼンするようなPM的な会社もありますが、両方を備えている会社は少ないと考えています。
だからこそ、「Keishinに何かあったら言えばいい」と思っていただけるワンストップの体制が私たちの差別化になっています。社員にもモットーとして伝えているのは、「ノーは一切言わない」ということです。
「ノーは言わない」というのは、具体的にどういう姿勢なのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎お客様から何か言われたら、まずはお話を聞く。その場で即答できない案件でも、「できません」で終わらせず、一度会社に持ち帰ってみんなで考えて答えを出そう、と伝えています。
評価をするのはあくまでお客様です。100点だと思って出した答えが30点のこともあれば、これでいいのかと思った答えが「助かったよ」と言われることもあります。ただ、「できません」と言ってしまえば何も残りません。まずは吟味して、やれることを努力してやりましょう、というのが私たちのベースの仕事です。

3拠点それぞれの役割
大阪本社、八尾、東京と3つの拠点があるそうですね。それぞれどんな役割を担っているのですか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎拠点ごとに特色があります。八尾営業所は資格者を中心にBM業務をメインで担い、大阪本社はFM業務を中心にしています。東京営業所は、ニッチな商材を数多く扱う「革命事業部」が拠点で、市場が大きい分、情報を収集・発信する出先のような役割を担っています。
拠点主な役割大阪本社フロント業務・FM事業(工事提案などの営業)八尾営業所資格者中心のBM業務(消防・水回り等)東京営業所革命事業部・ニッチ商材の取り扱い、情報収集発信
本社の「フロント業務」というのは、どんな流れで動いているのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎たとえばお部屋で水漏れが起きると、入居者の方が管理会社さんに連絡します。管理会社さんは自分たちで対応できないので、私たちに依頼が来ます。そこでフロントと呼ばれる担当者が状況を確認し、設備業者を手配し、入居者の方とアポイントを取り、現場を収めてもらって、その報告をもとに管理会社さんへ完了報告をする。この一連のやり取りを担うのがフロントです。
そして本社では、フロントを3年経験して卒業した社員がFM事業部へ移ります。ここは営業ベースの仕事で、「そろそろ工事した方がいいのでは」といった提案を行います。フロント業務と営業ベースの業務、これをワンセットでやっているのが本社の部隊です。
この業界を選んだ理由
もともと社長は銀行員でいらっしゃったそうですね。なぜこの業界に挑戦しようと思われたのですか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎私は銀行に約25年勤めていましたが、2002年に合併があり退職しました。最後の営業で全国ナンバーワン支店を取り、やりきった感があったんです。その後、お取引先だった工務店で財務や経理を手伝っていましたが、そのグループ会社が管理会社の大和リビングさんと取引をしていて、その窓口をやることになりました。
そこで話をするうちに、銀行時代と共通するものが多いと気づいたんです。
具体的には、どんな共通点があったのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎大きく3つあります。
ストックビジネスであること。契約が続く限り仕事はなくならず、新築が増えれば管理も累積で増えていく
クレーム産業であること。水漏れや騒音など、いい話より悪い話が多く、その処理は銀行の営業と通じるものがある
提案の余地があること。業界であまり提案が行われておらず、銀行時代の営業スキルが活かせる
独立するなら失敗はできません。決算をまたいでも売上がゼロにならないストックビジネスは、リスクを避けたい私にとって非常に魅力的でした。
それだけでなく、管理会社さんへの思いもあったと伺いました。
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎そうですね。管理会社の担当者を見ていると、当時の自分の部下のような若い世代が多く、入居者や上司、オーナーさんの板挟みになって四面楚歌になっている姿がありました。この人たちの手伝いをして困り事を解決してあげれば、お客様も入居者も喜び、私たちも売上になる。三方よしだと思ったんです。だったらこの業界に入っていこう、というのが取っ掛かりでした。
20年続いた「人の問題」と、若返りの転機
これまでで一番苦労されたことは何でしたか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎一言で言うと、人の問題です。立ち上げから3〜4年はほとんど一人でやっていました。売上が3億ほどになると、コンプライアンス上、資格者を確保する必要が出てきます。大手のお客様が多いので、「資格者はいるのか」と問われるようになったんです。
そこで人を入れ始めましたが、期待した仕事を任せても中途半端に辞めていくということの繰り返しで、ほぼ20年、人が辞めては入るという状態が続きました。落ち着いたのはここ2〜3年のことです。
その2〜3年で落ち着いたのは、何が転機だったのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎一番大きかったのは、教えられる人間ができたことです。それまでは私が直接教えていましたが、細部まで手が回りません。今5年目になる28歳の社員に、私が20年近くやってきたFM業務のノウハウをマンツーマンで教えました。彼がフロントとして成果を出し、お客様が認めてくださって、取引が広がっていったんです。
そこからは採用の仕方も変えました。一人ずつではなく、まとめて3人採用する。すると社員同士で教え合う環境が生まれ、辞めずに定着するようになりました。この流れで、ある会社さんとの取引拡大に伴い、3年ほどで12名ほど、そのほとんどが20代の社員を採用できました。
求人はどのように行っているのですか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎ハローワークとIndeedを中心に活用しています。Indeedは掲載順位を上げると反応があり、そういった工夫も採用につながったと思います。今では本社だけでなく八尾でも20代が応募してくるようになり、パートを含めて約70数名の規模になりました。
3年後の承継と、目指す会社の姿
この先、どんな会社であり続けたいとお考えですか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎今22期で、あと3年で25期・四半世紀という区切りを迎えます。私も3年後には70になります。社員には「私はあと3年しかやらないよ」と伝えていて、昨年9月1日の全体会議で「社長をやりたい人は手を挙げろ」と言ったんです。そうしたら5人が手を挙げました。
一番若いのは28歳。今は3人に絞り込み、大阪府の外郭団体が行う2年間の経営塾で学ばせています。25期までの3年間で実務を積ませ、承継を進めていく考えです。
数字の面での目標はありますか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎今期は15億ほどですが、25周年の3年後には20億にしたいと考えています。ただ、利益を出さなければ意味がないので、営業利益2000万を出せるやり方を目標にしています。
事業のビジョンとしては、どの方向を目指しているのでしょうか?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎冒頭でお話しした管理会社の代行業務が、これから必ず市場に求められると見ています。管理会社さん自体が人手不足でスタッフを抱えられなくなり、「PMに徹して、FMやBMはKeishinにお任せください」という時代がすぐ来るのではないかと。
そのために社員を育成し、資格も取らせ、最終的には管理会社さんよりもスキルや知識が上という集団をつくりたい。ただし前には出ず、ノウハウを持ってサポートに徹する。「困ったらKeishinに言ってください」と言える体制を築ければ、私が最初に選んだビジネスのベースは崩れません。
育成の仕組みについても、こだわりがあると伺いました。
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎消防設備点検をやりたいと応募してくる方には、資格も経験もなくても「まず3年間フロントをやりなさい」と伝えています。フロントで業界や物件、入居者や管理会社とのやり取りを覚え、その間に消防の資格を取る。取った暁には八尾のBM部隊に転籍してもいい。水回りがやりたければそれでもいい。3年経てば選択肢があるという仕組みが、最近意外と刺さっているようです。

「社員ファースト」にたどり着いた経営理念
事業を通じて大切にされている考え方を教えてください。
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎企業理念としては「信頼・感謝・幸福」を掲げています。信頼を得るために努力し、感謝されることでやりがいや達成感が生まれ、お客様が幸福になれば、私たちも適正な対価をいただいて幸せになれる、という考えです。
ただ、あるセミナーで「それは手法ではないか」と講師に指摘されたんです。悩んだ末に、経営の理念としては別に「三方よし・社員ファースト」を置きました。
「社員ファースト」に込めた思いとは?
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしが基本です。お客様も、私たちも、社会も良くならなければいけない。でも最後は社員ファーストなんです。社員に還元してあげたい、還元すべきだと。
売上を上げるのは私ではなく、社員が汗をかいて現場を動かして生まれるものです。だからこそみんなが目標を持ってやってほしい。この言い方に変えたら理解してもらえて、今は若い社員たちも自分たちのチームの目標を決めて進んでいます。
最後に、就活生へのメッセージをお願いします。
株式会社Keishin 代表取締役:髙田 新太郎これから少子化で採用の門戸も狭くなっていきます。面接で「これがやりたい」と決め切るのは難しいと思いますが、しっかり情報を集めて、自分なりのものを持ってチャレンジしてほしいと思います。




